婆ちゃん

僕にはお婆ちゃんがいる

もう90歳を超える大婆ちゃんだ

2ヶ月に1度

孫の僕のやってる美容院へ

親父が休みの水曜日に

遠くから

親父の送迎でやってくる

親父はほとんど毎週婆ちゃんのところへ行って

身の回りの世話をしている

昔はお爺ちゃんと住んでいた一軒家に

今も変わらず

大きな家に

背中の曲がった婆ちゃん一人で住んでいる

何も言わないけど

きっと親父は心配してるし

爺ちゃんが居なくなってから

より親への思いとか強くなってんのかなと

側で見てて感じてる
話は戻って

今日は2ヶ月に1度の婆ちゃんの美容院の水曜日

髪型はいつも同じで

ここ何年かまともにカウンセリングもしていない

ニコニコしながらゆっくり席に着く婆ちゃんを

クロスをつけていつもと同じ髪型にする

カットをしていると

毎回

「髪の毛が真っ白になっちゃったな」

「もう歳だからしょうがないね」

って話を2回はする

そんな婆ちゃんは勿論自分で

セットも出来ないし

ろくにシャンプーも出来ない

って事は自分では言う訳ではないけど

そんな事を考えながら

カットしてて

年齢と共に

髪の毛のコシや

髪の毛の本数も少なくなってきてて

少しのカットの違いで

お手入れがやりにくくなっちゃうんだろうなー

って

髪の毛の流れていく方向や

生えてる向きを

よーーーく見ながら

いつもカットしてる
人にはきっと色んな髪の毛を切る理由がある
明日はデート

卒業式

旅行

結婚式

などなど
でも

もう全くと言って良いほど

そう言った場面に遭遇しない

婆ちゃんも

美容院に

当たり前に来るし

美容院から綺麗になって帰る婆ちゃんの背中を見送ると

何だか

ちょっぴりホッコリして

微笑んじゃうんだけど
色んな事を考えながら切った髪型になった

婆ちゃんの背中を見送って

僕達美容師の喜びを感じた気がして

ちょっぴりブログにしたくなりました

お店にはうちの婆ちゃんみたいなお客様は

あまり来られないけど

どんな人にも

僕達美容師が

誰かの生活の側にあって

誰かの為になる仕事で

勿論仕事ってのは

どんな仕事もどこがで誰かの為になってるんだけど

美容師ってのは

その感謝や

喜ぶ顔や仕草

感謝の言葉ってのが

face to faceで

もらえてさ

婆ちゃんも

また大きな家に一人で帰って

今日僕が切った髪の毛で

この2ヶ月を過ごすんですよね

そんなの当たり前じゃんって感じだけど

何か

良い仕事だよね

うん(´ω`)

あ、勿論婆ちゃん以外も

スゲー考えて

カットもカラーもやってるんで

その辺お間違えなくm(_ _)m

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